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Windows Vista

・Windows Vistaは本当に重い?
現在、SP1もリリースされて、実際に普段使っているユーザーの間では発売当時よりかなりまともになった、と言われているVistaですが、まだまだ悪いイメージがつきまとっているようです。
その中でも圧倒的に多いのが「Vistaは重い」「メモリを食いすぎる」などという意見。はたしてそれは本当なのか。

Vistaには種類がたくさんあります。
大きく分けて、推奨導入スペックにも2つの種類があります。

○Vista Home Basic推奨導入スペック
CPU:1GHz以上
メモリ:512MB以上
HDD:15GB以上空き容量のある20GB以上のHDD
グラフィック:DirectX 9対応、32MB以上のグラフィックス メモリ
光学ドライブ:DVD-ROM

○Vista Home Premium、Business、Ultimate推奨導入スペック
CPU:1GHz以上
メモリ:1GB(1024MB)以上
HDD:15GB以上空き容量のある40GB以上のHDD
グラフィック:DirectX 9対応、WDDMドライバ、128MB以上のグラフィックス メモリ、ピクセルシェーダ 2.0、32ビットカラー以上
光学ドライブ:DVD-ROM

ということになってますが、この中でやはり重要なのはグラフィックの部分。
Vista Home Plemium以上のエディションにはAeroという3D描画を利用したGUIが採用されており、Vistaの顔と言える機能ですが、このAeroを利用するためには…

・ATI Radeon 9600 / X600 / XPRESS 200
・NVIDIA GeForce 6200
・Intel GMA 950 / X3000

これらのグラフィックボード・チップが最低ラインとなっています。
XP時代のメーカー製PCには、ハイエンドモデルを除けばほとんどがこのグラフィック性能を満たしていないので、多くの場合はグラフィックカードを追加しなければ利用できません。

Aeroはそもそも、従来CPUが行っていたGUI描画処理の部分を、GPU=グラフィックカード・チップの部分を利用して、CPUの負荷を下げる、といった効果があります。
見た目が派手なだけあり、何かと重そうに見えますが、グラフィック性能が高いPCだと従来のCPU負荷をかける「Windowsクラシック」などのデザイン設定にしたほうが「重くなる」可能性があります。

なので、ある程度のグラフィックカード・チップが搭載されているPCであれば、AeroをONにしたほうが体感速度は軽くなります。
体感速度をもっと上げる場合は、半透明処理・影、アニメーションなどの装飾機能を切ってAeroをそのままONにする設定のほうがベスト、と言えるでしょう。

したがって、Vistaの高速化設定において、Aero自体をOFFにする・切る、ということは間違い、とも言えます。
Aeroを切ったほうが快適になる環境というのは、グラフィック性能が足りてない、と言えるので、全てのマシンでAeroをOFFにすれば軽くなる、わけではなく環境にかなり左右される、と思ったほうがよいでしょう。

メモリを食いすぎる、というポイントですが、結論から言えば、Vistaは無尽蔵にメモリを消費しているわけではありません。

Vistaには「スーパーフェッチ」という機能があります。
この機能は、OS起動後にユーザーのよく使うアプリケーションを学習して、次回OS起動時に使用頻度の高いアプリケーションを起動するための情報をメモリに溜め込んでおいて、いつでも高速起動できるようにするための機能です。

タスクマネージャのメモリ消費量を見ると、常に空きが無いように表示されていますが、これは空いているメモリをこの機能のために全てキャッシュに回すためなのです。
メモリが全て消費されていても、Vista自体は特に重くなったりもせず、普通に動いてくれるはずです。

ただし、PCの搭載メモリが1GB以下の場合は、キャッシュが潤沢に用意できないため、XPよりは遅くなってしまいます。
快適に利用するためには、1.5GB〜2GB以上のメモリが必要と言えるでしょうか。

というわけで、Vistaはある一定以上の性能があれば、全く問題なく動くと思っていいと思います。
まだまだ、Vistaドライバが無い、アプリが正常に動作しない、などの問題はありますが、OSが世代交代するときには必ず付きまとう問題なので、アプリのバージョンアップ、ドライバの提供を待つしかありません。